ゴルフ会員権ニュース

2025年12月1日に㈱帝国データバンクが発表した2024年度のゴルフ場業界の市場動向調査によると、2024年度(2024年4月～2025年3月期決算)におけるゴルフ場業界の市場規模(事業者売上高ベース)は、前年を3.0％上回る8100億円となったという。
2018年度以来の8千億円台で市場はコロナ化を底に4年連続で増加、回復傾向が続いていると公表。
2024年度のゴルフ場市場は、コロナ禍でプレーを控えていたゴルファーの若年層・女性など新規層のリピーター化が進んだことが追い風になったという。
ゴルフは感染リスクが低いスポーツと注目されビギナープレーヤーの参加が増加。
ゴルフ場側でも積極的なマーケティングにより新規顧客を獲得、プレー料金の値上げも行われ市場規模を押し上げる要因となったことに加え、円安でインバウンド需要の急回復も市場に寄与した。
業績動向では、増収39.8％・増益38.1％がいずれも最も多く、損益面では高い水準で推移。
一方、赤字となった企業は前年度から上昇したものの4年連続で20％台と低水準で推移した。
赤字比率は大幅に低下したが、人件費上昇などにより販売管理費が増加したゴルフ場は多かった。
今後の課題として、団塊の世代が後期高齢者となる時期を迎える中で、さらにプレーヤー数が減少する可能性が高いことがあげられる。
既存会員の減少で年会費などの収入が伸び悩むことで既存会員中心の運営は限界感がみられるとした。
ゴルフ場運営でもスタッフの高齢化でプレーのセルフ化などの改革も迫られているという。
若年層や女性などの新規層がゴルフ場収益拡大に大きく貢献している点はゴルフ場経営にとって明るい材料と評価。
新規プレー客の定着に向けたマーケティング戦略やコミュニティ形成支援が重要と評価されており、休眠ゴルファーの復帰や訪日客の利用増も背景に市場全体では緩やかな上昇基調が続くとしている。

11月中旬段階の営業中ゴルフ場数は2102コースで、昨年の同期に比べ12コース減(0.57％減)となった。
2004年(平成16年)の2356コースと比較すると254コース(10.78％)減となった。
2008年(平成20年)以降18年連続で減少している。
都道府県別では、トップが千葉県の154コース(前年同期比1コース減)で、2位が兵庫県の149コース、3位が北海道で140コース(2コース減)、4位栃木県、5位茨城県と続き、最少は島根県の7コースとなっている。
2004年(平成16年)と比べ増加した都道府県はなく、減少数が一番多いのが北海道の36コース、福島県25コース、栃木県24コースとなり、減少率では福島県の41.7％減、島根県36.4％減、鳥取県35.7％減、岡山県27.8％減等となった。
東北、北関東、北海道、中国地区が目立つ。
令和7年11月中旬調査段階における暫定閉鎖ゴルフ場数は全国24道府県で40コース、この1年間の新規閉鎖は10コースとなっている。
那須国際ccとグランデージGCは改修のための閉鎖で再開場を目標としている。
川越グリーンクロスは調節池事業の関係で閉鎖、メガソーラー事業への売却・転用も多くなっているという。

取手国際ゴルフ俱楽部は西コースのベントグリーンの芝種の転換工事を終了、11月16日より使用開始。
酷暑対策として鳥取県産コーライ芝へ全面更新、既存のつくば産と共に全国でも珍しいコーライ2グリーン体制へと生まれ変わった。
つくば産コーライは関東の気候に根ざし、滑らかな葉質と均一な転がりで長年親しまれているが、鳥取県産コーライは耐暑性・耐乾性に厳しい環境下で高い品質を保てる名芝のひとつだと説明。
今回の工事でグリーンの面積をほぼ倍増、コーライ芝の浸食でベント芝の面積が小さくなっていたものを従来の大きさに戻した。
またより立体的で変化にとんだ形状に進化、ピンポジションのバリエーションも増え、戦略性・ゲーム性が向上したという。
東コースはベント1グリーン化改修工事の折、USGA方式に則りグリーン基礎から新しく造成、新種のベント芝を採用しており、酷暑でも1グリーンの営業には問題なし。

琵琶湖カントリークラブは2025年12月8日より三上コースをクローズして改修工事に着手する。
2020年10月に琵琶湖コースの大改修工事を行い、今回三上コースを改修しグレッグ・ノーマンデザインによる18ホールを完成させるという。
2026年10月完成を目標に進めていくということで、完成後はこれまでの栗東～三上～琵琶湖から、琵琶湖～三上～栗東へとラウンドローテーションを変更すると表明。
同クラブは日本オープンが開催された2020年10月よりカーボンニュートラルの自然共生型ゴルフ場として運営している。

大宮国際カントリークラブは令和8年3月末で荒川左岸の官地の占有許可を解除することとなっており、返還に向けた方向性が固まった。
2026年(令和8年)1月16日より、ホール数を45から27ホールへ縮小する。
アウト･インの各9ホールは、乗用カートセルフプレーのみで手引きカートによるプレーは廃止。
セキレイ9ホールは2回周りの手引きカートセルフプレーを継続となる。
アウト･インは現存のホールからチョイスするという。

武蔵松山カントリークラブは、2026年(令和8年)1月1日～12月31日までの期間で名義書換料を値下げする。
2025年12月まで行っているキャンペーンの延長となるが、今回は料金が変更となる。

名義書換料（税込）
　正会員・法人会員登録者1名につき
　　　　　　　2,200,000円　→　1,430,000円
　（相続・配偶者または直系卑属への継承及び同一法人内）
　　　　　　　1,100,000円　→　　715,000円
　平日会員・法人平日会員登録者1名につき
　　　　　　　1,100,000円　→　　715,000円
　（相続・配偶者または直系卑属への継承及び同一法人内）
　　　　　　　　550,000円　→　　357,500円
　＊入会承認通知書到着後10日以内に指定銀行に振り込むこと
　　所定期間内に振込がない場合入会取消の場合あり

広島みずほカントリークラブは2026年3月末をもってゴルフ場を閉鎖する見通し。
同CCは2024年2月1日に名称を広島東映CCから変更したばかり。
フジタの子会社である東広島開発が、12月4日に現在の運営会社から事業を引継ぎ、2026年3月末でゴルフ場を閉鎖すると同ゴルフ場の会員に案内したという。
会員には預託金を返還する方針。
東広島開発ではゴルフ場跡地について、まちづくりに活用すると表明している。

大多喜城ゴルフ倶楽部は、2026年(令和8年)1月1日より年会費を改定する。
会計年度は1月～12月。
年会費は税込で、正会員が39,600円が66,000円に、特別会員が22,000円が31,900円になる。

一般社団法人・日本ゴルフ場経営者協会は、ゴルフ場利用税に基づく2024年度の全国ゴルフ場利用者状況を調査市発表。
全国47都道府県のゴルフ場数は2172となり、前年度に比べ15ゴルフ場(0.69％)減少、15年連続でマイナスとなった。
利用者数については、全国で8750万1672人を数え、前年同期に比べ218万1699人(2.43％)減少。
都道府県別では、茨城県(0.65％増)と東京都(2.27％増)がプラス、45道府県は減少。
石川県(25ゴルフ場・12.62％減)、島根県(7ゴルフ場･9.64％減)、福井県(13ゴルフ場･6.17％減)、京都府(32ゴルフ場･5.82％減)、山口県(32ゴルフ場･5.40％減)、新潟県(41ゴルフ場･5.33％減)と続いている。
エリア別では、全エリアで前年度を下回り、関東エリアは茨城県と東京都のプラスで0.54％減にとどまったが、他エリアは2％以上のマイナス、新潟･北陸エリアは7.53％落ち込んだ。
1ゴルフ場あたりの利用者数は4万286人、1.76％減少となった。
エリアでは北海道のみ0.42％増加、関東エリアは0.06％減で前年並み、東北、中部、甲信、関西、中国、四国、九州･沖縄は1～3％減少、新潟･北陸エリアは6.55％減少となった。
コロナ禍以前には2025年度には延入場者利用者数が7000万人台になると予測していたが、コロナパンデミックにより2020年度に9100万人強を記録。
2023年度以降は減少したが、2024年度の数値は2019年度と比較すると以前として153万人増加している。
2024年度のゴルフ場利用税総額は、431億100万円で前年同期比1.9％減。
1人あたりのゴルフ場利用税は646円で4年連続上昇。